◆栽培
※植え替えは春先・秋口・導入時に行う。用土は水捌け第一。根腐れ防止が第一目的。古い用土は全て落とし、軽く根をしごくなどして枯れた根・細根を整理し、再び植え付ける。水は数日は与えない。体力が心配な小苗は強めの遮光をしておく。
※冬季はしっかり直射に当てる。春(温室の春は2月頃)から徐々に遮光をする。日照時間そのものは常に確保。通風も重要(特に夜間)。
※水遣りは鉢内1/3〜1/2が乾いてから(根腐れ防止)。鉢質(プラや焼き物)・用土により状況が異なるので注意。理想は表層は常に乾いており、鉢の底(出来れば更に底)が湿っている状態。通風が確保出来れば頭上灌水がよい(綿毛ものも乾燥具合によっては可能)。
※酸性用土はピートなどを加える。アルカリ用土はカルシウム分(苦土石灰・貝殻)を加える。判断が付かない場合は中性のものを使用。酸性用土必須の種類にアルカリ(カルシウム)は厳禁。ミネラルウォーターも問題外(軟水や熱帯魚用ブラックウォーターがよい)。逆は割りと耐えられる。
※寄せ植えは勢いが同じ程度のものを併せる。
※冬季は断水して休眠させる。容器に有れば保温不要。寒冷地では防寒(2重ビニル・新聞紙で撒くなど)をしっかりと。保温は熱帯性のもののみに必要。10℃(15℃あれば確実)あればよい。保温が必要なグループ一覧:ウエベルマンニア属・メロカクタス属・ディスコカクタス属・ヒロケレウス属・セレニケレウス属の多く・ディソカクタス属の一部、など。ちなみに葦サボテン類は中温多湿(除・用土の多湿)性で高温多湿は好まない。特にHatiora属・Schlumbergera属は耐暑性を欠くので注意。他の葦類は耐暑性を有するので気にしなくてよい。
※繁殖は実生・挿し木がある。種子は自家採集(自家受粉・受粉作業)も出来るが、専門店で販売もしている。寒さに弱いので初夏がよい。細かい粒の用土に覆土せず均一に撒く。サボテンの形になるまでは水を切らさない(実生暫くは根腐れなどしない)。弱光下で管理する。挿し木は枝を挿す。挿す前に切り口はしっかり乾燥させ、はじめは鉢に置くようにするだけ。毎日切り口を確認・発根したら本植えにして水を与える。強制的に枝を出させる為には胴切り(柱などをカット)・芯抉り(成長点を抉る)などの方法がある。
※接木は成長を速める・自根栽培が困難な種類の維持が目的。実生接ぎは三角柱・龍神木で行う。三角柱には多少合わない種類がある。接ぐ場合は接ぎ穂・台木の維管束を合わせるようにする。或る程度大きくなったら接ぎ降ろす。三角柱は全てカットして発根を待つ。竜神木・袖ヶ浦であれば台を残し、埋めて管理してもよいと言われていたが、実際は短命に終わってしまうのでこれらも全て取り去る。接木は永久に持つわけではない。班入り・綴化個体は台木がへばってきたら接ぎ直しをする。この時に数を増やすとよい。径3cm以下の小さな接ぎ穂・難物種の場合は短台処理を行う。台木を接ぎ穂の体積の1〜2倍程度残し、埋めずに発根させてそのまま管理する。台木には少し日照があるとよい。
※病害虫は多い。ウイルス、細菌、真菌、線虫(ネマトーダ)、貝殻蟲系(綿蟲・根虱)、油虫、蟻・ゴキブリ・夜盗蟲・蛞蝓・鼠・人間など。ウイルスは茎節を切るときに消毒(炎がよい)を。細菌は傷口をよく乾かす・根腐れを起こさせない。腐った部分は切り捨てて乾かし挿し木。真菌は通風確保・貝殻蟲の除去。線虫は疑いのある根を全て除去(鉢を地面に置かない)。貝殻蟲は取り敢えず掻き落としてから茎節・用土に薬剤。油虫は網を張って飛来を防ぐ(後は見つけ次第指で潰せばよい。3日程度で消える)。蟻・ゴキブリはコンバット。夜盗蟲はピンポイント攻撃。蛞蝓は殺ペレット。鼠には忌避剤・殺鼠剤。盗人には対人センサー。
◆樹木状サボテン
ペレスキア属・ペレスキオプシス属・クィアベンティア属
強光○:高温○:低温×:絶対乾燥×:過湿△:肥料○。
栽培容易。成長速い。巨大になるので温室内地植え推奨。温室内鉢植え栽培では貝殻蟲が付き易い。鉢植えの場合は春から秋は露天栽培(露天地植えは不可)。鉢は深鉢を使用。冬季落葉。挿し木で増殖容易。アルカリ用土。
◆樹木状サボテン(特殊)
マイフエニア属
強光○:高温×:低温○:絶対乾燥×:過湿×:肥料×。
栽培難。成長遅い。地植え不可。プラ鉢不可。高山性の栽培(通風・光線の確保。高温・過湿厳禁)。落葉させない程度水を与える。夏越し注意。氷点下可。アルカリ用土。
◆扁平ウチワサボテン
オプンティア属
強光○〜△:高温○:低温○〜△:絶対乾燥×:過湿○〜△:肥料○。
栽培容易。成長速い。巨大になるので温室内地植え推奨。種類によっては露天栽培可(関東以西。貧刺緑・大型青白ものが強い)。鉢植え栽培では貝殻蟲が付き易い。根は表面を覆うように伸びるので、鉢は表面積の大きなものを使用(深鉢は不要)。挿し木で増殖容易。
◆円筒状ウチワサボテン
オプンティア属(アウストロキリンドロプンティア・キリンドロプンティア)
強光○〜△:高温○〜×:低温○〜△:絶対乾燥×:過湿△〜×:肥料○。
栽培容易〜難。成長速い。巨大になるので温室内地植え推奨。種類によっては露天栽培可(関東以西)。特殊なもの(白毛を纏うもの・青白くなるなど見かけが奇異なもの)は高山性の栽培(通風・光線の確保。高温・過湿厳禁)。鉢植え栽培では貝殻蟲が付き易い。挿し木で増殖容易。
◆球形ウチワサボテン
オプンティア属(グルソニア・クムロプンティア・テフロカクタス・マイフエニオプシス)
強光○〜△:高温×:低温○:絶対乾燥△〜×:過湿×:肥料×。
栽培難。成長遅い。高山性の栽培(通風・光線の確保。高温・過湿厳禁)。場合によっては接木維持。挿し木で増殖容易。アルカリ用土。
◆ウチワサボテン(特殊A)
プテロカクタス属
強光△:高温○〜×:低温△〜×:絶対乾燥×:過湿×:肥料×。
栽培難。成長遅い。高山性の栽培(通風・光線の確保。高温・過湿厳禁)。鉢植え栽培。挿し木で増殖容易。
◆ウチワサボテン(特殊B)
タキンガ属
強光△:高温○〜×:低温△〜×:絶対乾燥×:過湿○〜△:肥料○。
栽培容易。成長速い。熱帯植物の栽培(冬季保温。絶対乾燥禁止)。巨大になるので温室内地植えが向く。挿し木で増殖容易。
◆着生サボテン(原始系)
ウェベロケレウス属・エピフィルルム属・ディソカクタス属・セレニケレウス属・ヒロケレウス属
強光○〜△:高温○〜×:低温△〜×:絶対乾燥○〜×:過湿△〜×:肥料○。
栽培容易。成長速い(ウェベロケレウス属は大方遅い)。ハンギング栽培(地植えは収拾がつかなくなる)。冬季保温が望ましい(エピフィルルム属は不要)。挿し木で増殖容易。酸性用土。
◆着生サボテン(進化系)
リプサリス属・レピスミウム属・ハティオラ属・スクルムベルゲラ属
強光△〜×:高温△〜×:低温△〜×:絶対乾燥×:過湿△〜×:肥料×。
栽培容易(高山系は難物)。成長速い。ハンギング栽培。低地・ミッドランド性リプサリス属・レピスミウム属は熱帯植物の栽培(冬季保温。絶対乾燥禁止)。高地性リプサリス属・レピスミウム属ハティオラ属・スクルムベルゲラ属は高山性の栽培(通風・光線の確保。高温・過湿厳禁)。どちらも挿し木で増殖容易。酸性用土。
◆花サボテン(蝦&海胆)
エキノケレウス属・エキノプシス属
強光△〜×:高温○:低温○:絶対乾燥○〜△:過湿○〜×:肥料○。
栽培容易。古くから伝わる駄物。無理に砂漠のような環境を作らず、屋外で通常の園芸方式でよい。逆に温室内では萎縮・害虫が頻繁。関東以西なら冬はビニールで包むだけで容易に越冬する。Echinocereus属櫛刺群及びdelaetiiに関しては球形サボテン一般の扱い。但しrigidissimus種は好酸性土壌性なのでアルカリ厳禁。
◆柱状サボテン(南米)
アカントケレウス属・ケレウス属・キポケレウス属・ピロソケレウス属・アウストロケファロケレウス属、他
強光○〜△:高温○:低温○〜△:絶対乾燥○〜△:過湿○:肥料○。
栽培容易。成長速い。大型になるので温室内地植えを推奨。鉢の場合は春から秋まで他の草本と同じ扱いでよい(西日を避ける)。細胴・薄稜・屈曲・日焼・貝殻蟲などは鉢の容量不足。直根が伸びるので、鉢は表面積に加え丈のあるものを使用。挿し木で増殖容易。
◆柱状サボテン(北米&毛柱類)
カルネギエア属・ステノケレウス属・パキケレウス属、オレオケレウス属、エスポストア属、他
強光○:高温△〜×:低温○〜△:絶対乾燥○〜△:過湿×:肥料○。
栽培容易〜難。成長遅い。高山性の栽培(通風・光線の確保。高温・過湿厳禁)。温室内地植えを推奨。鉢植えは春〜秋まで露天栽培可。細胴・薄稜・屈曲・日焼・貝殻蟲などは鉢の容量不足。鉢の表面積は十分広いものを選択の上、直根が伸びるので深鉢を使用。ステノケレウス属は最も容易。ネオライモンディア属は地植え必須で、鉢栽培なら可能な限り大きなものを用意する。ブロウニンギア属・ネオブクスバウミア属は通風をしっかり確保(蒸してはならない)。カルネギエア属は生涯を通じて気難しい。パキケレウス属は幼苗期の管理が難しい(腐り易い)。毛柱類(オレオケレウス属・エスポストア属)は昼夜の気温差が必要(特にケファロケレウス属は栽培が困難)。露天に出すと汚れて観賞価値が無くなる。アルカリ用土。
◆球形サボテン(一般)
マムミルラリア属・コリファンタ属・ロフォフォラ属・アリオカルプス属・ギムノカリキウム属・コピアポア属・エリオシケ属、他。
強光△:高温△〜×:低温△〜×:絶対乾燥○〜△:過湿×:肥料△〜×。
栽培容易。成長遅い。通風は必要で蒸すと徒長する。日照時間は長いほどよいが、強光線下では日焼けが頻繁。実生繁殖。アルカリ用土(ギムノカリキウム属はアルカリ不可)。
◆球形サボテン(難物)
スクレロカクタス属・ペディオカクタス属
強光△:高温△〜×:低温△〜×:絶対乾燥○〜△:過湿×:肥料△〜×。
栽培難。接木で維持。掻き仔繁殖。アルカリ用土。
◆球形サボテン(花座)
メロカクタス属・ディスコカクタス属
強光△:高温○:低温×:絶対乾燥×:過湿△:肥料△〜×。
栽培容易。低温厳禁。実生繁殖。
病気の発生:環境悪化等で調子を崩す。病原体の侵入。重要な環境とは陽光・通風・適度な水分。
病気の治療:環境改善。薬剤散布。
症状の詳細
◎Cactus Virus X (CVX)(バイラス)
一般的なウイルスの症状(班・ねじれ)。病気の株との接触(特に接木)・切断に使用した刃物。害虫による伝播・不潔な用土。
◎真菌類(炭疽病・黒腐病)
赤班・黒班の出現。枯れ込み・穴・乾燥(ひび割れ)。菌糸の出現。
◎細菌類(赤腐病・軟腐病)
変色(赤・黒)。腐敗・悪臭。物理的な障害面(カット面含む)・水の滞留(植物体・用土)を狙う。
◎Family Heteroderidae, Genus Cactodera, Meloidodera(根瘤線虫)
根に瘤を生じる。
◎Diaspis echinocacti サボテンシロカイガラムシ
目玉模様(茎節に張り付く)と細長いもこもこが積み重ねる様に繁殖(不動)。とてもよく見るタイプ。
◎Eriococcus coccineus サボテンフクロカイガラムシ(綿虫)
刺や稜間に点々と繭を結ぶ(不動)。しばしば鉢。とてもよく見るタイプ。
◎Hypogeococcus spinosus サボテンコナカイガラムシ
ワラジムシのような姿で周囲に粉を撒き散らす(可動)。成長点・刺座・蕾などを好んで襲う。とてもよく見るタイプ。
◎Rhizoecus cacticans サボテンネコナカイガラムシ(根虱)
寸胴な蛆様。周囲に粉を撒き散らす(可動)。根に寄生。とてもよく見るタイプ。
◎Trialeurodes vaporariorum オンシツコナジラミ
白色で小さな羽虫のようなもの(可動)。余り見ないタイプ。